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奴隷の罠
第3章 三
…嗚呼、また思い出してしまう。
嫌なのに……。二度と思い出したくないのに……。
まさか、誠也様とお母様が愛し合っているなんて、信じたくない――
「牡丹お嬢様、大丈夫ですか?」
目を開くと、自室のベッドに寝ていた。
目の前には椿山の顔。
…椿山、心配そう……。
牡丹はベッドの側に立つ椿山を見ながら、話し掛ける。
「大丈夫……。誠也様は?」
「朝食を食べられています。…何があったんですか?誠也様に聞いても、大丈夫としか言われず……」
椿山は心配そうに牡丹をじっと見つめ、牡丹の左手を両手で握り締めた。