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きっかけは映画館
第15章 これはデートですか?
また、信号待ちに差し掛かった時、麻里絵ちゃんから合図が来る。
「家の近くでお茶しよう?」
「ああ、俺もそう思ってた。」
麻里絵ちゃん家の近くのファミレスに入る。
袖を解かれた麻里絵ちゃんは、ごく自然に当たり前のように腕を組んでくる。
今日1日の成果だと思えば、それだけで満足だった。
「楽しかったね〜、ヒジオは運転疲れた?」
「麻里絵ちゃんがうとうとし出した時は、ちょっと焦ったけど、バイク乗るのは好きだから苦じゃないよ。」
「ごめんね、はぁ〜、美味しいものいっぱい食べたし、温泉も入って、楽しかった〜。」
麻里絵ちゃんの笑顔が見られて最高〜。
そして、俺は薔薇園の包みを出す。
「麻里絵ちゃん、これね、プレゼント。」
「え?お揃いのストラップ買ったじゃない。」
「開けて見て?」
麻里絵ちゃんが開けるのを見るだけでドキドキした。
値の張るものじゃないし、イベントでもないのにプレゼントなんて…
でも、麻里絵ちゃんの反応が見たい。
「可愛い。あ、あの薔薇だ。」
「そう、麻里絵ちゃんの薔薇のブレスレットがあったから、思わず買っちゃった。」
「着けてみるね。」
「ああ…」
麻里絵ちゃんは嫌がりもせず着けてくれた。
麻里絵ちゃんの細い手首で、可憐な麻里絵ちゃんの薔薇が揺れていた。
「ありがとうヒジオ。」
その笑顔を見たら、また、頑張ろうって思えた。