- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
きっかけは映画館
第16章 ハロウィン
水曜日、相変わずハロウィンの件は突破口が見つからない。
優希ちゃんが残業出来ないことを気にしてるのか、ランチに誘ってきた。
「先輩、携帯のストラップ素敵ですね。」
優希ちゃんがヒジオとお揃いのストラップを指差す。
私が言葉に出来ずにいると、
「そういえば、映画どうでしたか?」
と、話題が変わる。
「うん、凄く素敵だったけど、考えさせられた。」
「え、ああ、先輩真面目ですね。私は結婚っていいなって、彼と話しました。」
「うん、そうだよね。」
別れたばかりだから?ヒジオとのことがあるから?
ちょっと、優希ちゃんと話が合わないような気がした。
「先輩、今日、飲みにいきましょう。」
「優希ちゃん、彼大丈夫なの?」
「はい、デスクに向かってても、行き詰まっちゃうし、飲みながらまた閃くかもしれないじゃないですか。」