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きっかけは映画館
第16章 ハロウィン
コンコン…
………
あれ、店員さんなら黙って入ってくるのに…
「あっ、もう来た。どうぞ〜。」
って、優希ちゃん、何が?…と聞く間もなく、個室の扉が開く、
「こんばんは、お呼ばれしまして…」
って、
「なんで、ヒジ…
「土方さん、お呼び立てしてすみません〜。」
「いやいや、水曜日は比較的早く帰れるんで、大丈夫ですよ。」
と優希ちゃんと営業モードのヒジオは、何でこうなっているのかわからない私を置いて二人で挨拶している。
「あ、土方さんこんばんは。」
「お邪魔します、間宮さん。」
と、社交辞令で対応すると、私の方に当たり前のように座ろうとするヒジオ。
「優希ちゃん、どうして土方さんが?」
「企画が行き詰まってることをメールして、一緒に飲むことになったから、もう来ますよってさっき話したら、先輩、いいって返事したじゃないですか。」
あ、さっきの生返事の会話、って…
「何だかお邪魔しちゃいけない感じでしたか?」
「そんなことないですよ、土方さん。
ねぇ、麻里絵先輩?」
「え、ええ、先日は貴重なお時間をありがとうございました。」
「いえいえ、月曜日にハロウィンの風習の話を優希ちゃんから伺って、気になってたんですよ。」
「土方さん、ビールでよろしいですか?」
「ああ、お願いします。」