- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
きっかけは映画館
第16章 ハロウィン
「ああ、そうですよね。
って、この為に映画の話を振ったのかと言われてしまいそうですが、
僕はあの映画を観て、一緒に居られるからいい、でなく…
今、結婚しなきゃ、いや、したいと思い立って。
僕ら、ずるずると同棲してますからね。
それで、オータムフェアの最終日、つまり、ハロウィンの日に入籍して、その後式の段取りを始めようって話になったんです。」
晃くんは優希ちゃんの肩に手を回し、その姿を見ると、二人で決めたんだとわかる。
優希ちゃんがとても嬉しそうだ。
「おめでとう。優希ちゃん、晃くん。でも、フェアにこだわらなくてもよいのよ?」
「いや、優希は一つの事に身が入ると、よそが中途半端になるから、
本人が今回の仕事の最終日にって、
それに、同棲してますから、毎日一緒に居られるので、入籍はあくまでもケジメ、決意の現れですから…」
「ただ、麻里絵先輩に言うチャンスがなかなか無くて、晃のことも紹介したくて…
入籍のことがあっても、同棲してても、きちんと頑張りたいって、ペア組んでる麻里絵先輩には、知ってて欲しくて…」
ああ、優希ちゃんはやっぱり優秀で…可愛い後輩…
どちらかというと、この報告の為に、今日の飲み会をセッティングしたんだ。
「じゃあ、改めて、お二人の為に、そしてフェア成功を祈願して乾杯しましょう。」
ヒジオが美味しい所を上手くかっさらっていく…
そして、乾杯後、そのまま飲み続けて………