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きっかけは映画館
第18章 同伴出勤?
ピピピ…ピピピ…
ん…耳慣れない電子音…止めてよ…
って…あっ…
ヒジオの家に泊まったことを思い出した。
ヒジオは…また…私に擦り付けてる。
っ…犬か?
無意識にそうなるものなのか?
向きを変えると…まだ、眠ってる。
そして…背中に手が回ってきて、引き寄せられる。
嫌じゃないんだよなぁ〜
むしろ、大きなヒジオに包まれるのは安心する。
裕司とは…週末泊まりあっても…しないで寝た時は、くっついてはいない。腕枕もなかった。
とにかく、スキンシップが…無用に肌が触れ合うのが…苦手な人だった。
甘えたい時でも、肌が触れ合うとビクッとするから、触れないようにしていた。
ヒジオは凄く大きい。185くらいあるんじゃないかな…
175の裕司と比べてもおっきい。
そのヒジオが私を包むように丸まってくるから、大型犬みたい。
触れてもビクッとしないから、しがみついちゃう。
肌が合う……
ヒジオが言うのは、
こういうことも含めて言ってると思う。
ヒジオは温かい。
ヒジオに包まれてるのは……
嫌じゃない。
というか…好き………
ピピピ…ピピピ…ピピピピピピ…
バチン…
スヌーズになってた目覚ましをヒジオが叩いて止めた。
………てか、ヒジオが起きた。
「……麻里絵ちゃん、起きてるなら、起こしてよ。会社…」
「あ…うん…」
「麻里絵ちゃん、朝シャワー浴びる人?」
「ううん。」
「じゃあ、俺浴びるから、洗面所気にせず使っていいから…」
そんなに慌てるほどの時間じゃないけど、ガバッとヒジオは起きて…
走ってバスルームに消えた。
ヒジオの温もりが消えたベッドは…居心地が悪い。