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きっかけは映画館
第20章 待つ


昨日の飲み屋での話をまとめ、皆に方向性をレクチャーする。
そうなると、皆が動き出すから、私の仕事は少なくなる。

昨日まで滞り気味だったから余計にすることがない。

ヒジオに連絡すれば、あまりの早さに1時間ほど待つか、先に帰ってと…

帰っても一人だし…待つことにした。

駅前の喫茶店で紅茶を飲む。
することがないから……
裕司に電話したんだ。

ヒジオも、きちんと話し合った方がいいって…


『ああ、麻里絵?』

「今、大丈夫?」

『ああ、どうした?
仕事辞めて、俺についてくる気になった?』

「えっ?」

『だよな。麻里絵のこと好きだったよ。でも、悪いけど過去形…
俺たちさ、だいぶ前から終わってたんだよ。
麻里絵と一緒になるには、麻里絵に仕事を辞めてもらうしかない。
麻里絵には、それが出来ないって…だいぶ前からわかってたんだよな俺。
俺が、もっと魅力があって、麻里絵に仕事より俺って言わせるくらいじゃなきゃ

俺たち、無理だったんだよ。』

「裕司は、裕司は私についてきて欲しかったの?」

『そりゃあね、だけど無理だってわかってたし…

無理矢理辞めさせて、お前を我慢させて、そのストレスまで引き受ける自信もなかったんだよ。

俺は仕事を変えられない。そしたら、麻里絵にだって仕事は変えられない。

俺たちの人生には、お互いの存在が絶対ってルールはなかったんだよ。

あの時も言ったけど、早くいい奴、見つけろよ。
悪いけど、俺は探してる。俺についていくだけで幸せって言ってくれる女を…

まだ居ないけどさ、職場にも結婚が目標って女性もいるし、島にもきっと…

悪いな…毎年辞令をびくびくしながら待つんじゃなく…もっと麻里絵を早く解放してやれば良かったんだな…ごめん。』

「ううん…私こそごめんね。」

『早く、いい奴見つけろよ。』

「うん…」

プツッ…

余韻もなく切れる携帯は…寂しいな。
でも、裕司は、私が考えていた通りの裕司だった。

ありがとう裕司…





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