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きっかけは映画館
第20章 待つ


「麻里絵ちゃん…お待たせ…帰ろ?」

「ヒジオ?」

ヒジオはテイクアウトの飲み物を持って私の所に来た。
座ると思ったら、手を引かれて外に出る。

「待たせてごめん。今日は電車で帰れる?」

「な…んで…?」

「…………麻里絵ちゃん…泣いてるから…」

「えっ?…あくびした…だけだよ。」

ヒジオは私の手を引いてずんずん進む。

そして、まあまあ混んでいる電車に乗るまで無言で…

電車に乗ったら、覆うように抱き締められた。

「俺のせいじゃ…ないよね…」

どっちに答えたらいいのかわからなくて…
裕司の言葉を思い出して…
また…涙が零れた…




私は…言葉に出来なくて…ヒジオの胸を借りて…泣いた。


ヒジオはわかっているのか…とにかく、優しく覆って…ずっと頭を…撫でてくれた。


「麻里絵ちゃん、何も言わなくていいから…今日も、俺んち泊まって…」


電車を降りる間際に、ギュッと抱き締められて言われる。

私はコクコクと頷いた。

ヒジオの家は、駅からすぐで、無言のまま家につく。

「今日は早く寝よ?」

食事もしてないけど、ヒジオの切羽詰まった感じに、また、頷くだけで、先にお風呂に入った。


ヒジオも交代ですぐさま入り、無言のままベッドに入る。

向かい合わせに腕枕に抱き締められて、

ヒジオが深呼吸をすると…
苦しそうに言葉を吐き出した。




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