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きっかけは映画館
第21章 気がつけば…
ピピピ…ピピピ…
ん…
麻里絵ちゃんが今日も俺の腕の中にいる。
こんな状態で堪えて手を出さない自分に…
勲章をやりたい。
一目惚れ?
二目も、三目も…惚れた弱みなんだが…
可愛い麻里絵ちゃんを大事にしたい。
疲れてるのかな…
それとも慣れてリラックス出来てるのかな…
昨夜、一番の話をしたけど、正直、早く麻里絵ちゃんの一番になりたい。
だから、ゆうじとケジメをつけることにも協力した。
麻里絵ちゃんがこっちを向いていないことには始まらない。
喫茶店で泣いてる麻里絵ちゃんを見つけて…
携帯をじっと見ている麻里絵ちゃんを見て、
きっとゆうじだろうと思った。
ゆうじより俺を見ろって言いたいけど、まずはゆうじとの別れを消化してもらわないと、俺を見てもくれないだろう。
はあぁ…
麻里絵ちゃんの為なら、何度でもため息をついてやる。
でも、麻里絵ちゃんが起きるまで…麻里絵ちゃんの感触を、ギュッとさせて?
麻里絵ちゃんが起きないように、全身で抱き締めた。
昨日の発言は、あんな善人みたいな俺は…いない。
ずっと俺の中にいて…
ずっと俺だけを見て…
ずっと俺を一番って思って欲しい。
でも、そんなこと言ったら、麻里絵ちゃんは逃げていっちゃうだろ?
エロいって手厳しい麻里絵ちゃんに逃げられないように、背中だけを撫でる。
………はあぁ…辛いっ…
「ん…ヒジオ…おはよう。」
麻里絵ちゃんが俺の腕の中で目覚める。
とりあえず、それだけでも幸せ…だ。