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きっかけは映画館
第5章 ラブシーン
隣の肘男(ひじお、肘が邪魔だからひじおでいいよね。)は、画面が暗くなると、うつらうつらし始める。
ストーリーは、ストーリーは…
肘男が気になって集中できないけど、
嵐で停電中の暗い部屋でカップルがキスしてる。
最初は触れるだけのキスから、段々と熱が籠ってきて…
ああ、いよいよ最初のラブシーン…
って、肘男?
さっきまで起きてたのに、
マジ寝?
カックン、カックンしては、肘付きして目をシバシバさせて、また、カックン…
てか、肘男の頭が更にこっちにはみ出てるんだけど!!
邪魔っ…
これが電車なら寄っ掛かられてるわけで、肘でこっそり小突いて戻すところなんだけど、ひじ掛けのせいであからさまには出来ない。
てか、これからいい所なのに、肘男は見ないのかな?
ん〜、肘男、邪魔っ…
そうだ、あの手でいこう。
肘男を小突くアイデアを閃いて、バックを再び漁ってティッシュを探すフリ。
んで、取り出すタイミングで肘付き肘男の肘を…
ドンっと小突いた。
勿論わざとらしく謝る準備をして…