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きっかけは映画館
第21章 気がつけば…
麻里絵ちゃんからの言葉が聞きたくて、スツールに待てってされてる犬みたいになって…俺は…待った。
「ヒジオ…よくわからないんだけどね…いつの間にか…気付いたら…好きだった…みたい。」
「え…」
「だから…たぶん…好きだと…思うの…」
「う…うん…」
「よく…わからないけど…誰にも…取られたくないっていうのは…好きの…裏っ返し…だよね?」
俺はスツールから離れて、麻里絵ちゃんの隣に行った。
「まだ、わかんなくてもいいよ。」
肩を引き寄せて寄りかからせて、頭を撫でながら、言ったんだ。
「少しずつで、いいから…段々…好きになってくれればいいから…
そのうち…離れたくないって…言わせてみせる。」
「うん…」