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きっかけは映画館
第21章 気がつけば…
「麻里絵ちゃん…」
とりあえず予定通り、小っちゃい麻里絵ちゃんは、屈んだまま抱き上げると、軽々と持ち上がり…
「今日は…もう…寝よう?」
一緒に布団にくるまってから言った。
女の子に言わせて…
応じないなんて恥ずかしい思いをさせたくないけど…
「麻里絵ちゃん…凄く嬉しいんだけど…色々準備もあるから…今日は寝よう?」
キョトン…
しばらく目が泳いで…
キョトン…
全然わかってない様子だけど…
「今日は…酒飲んでるし、麻里絵ちゃんとは、大事なことだから…ちゃんと…(お帽子を)した時に…」
「………ヒジオ…私…酔ってないよ?」
嘘だろ…てか…もう言わないで…愚息が…爆発…する。
「俺が…酔ってるから…初めては…大事にしたいから…」
酔ってもないのに苦しい言い訳をする俺に…
「女の子みたいな変なヒジオ…」
バフッ…
体当たり並みに抱き着いてきて、………
暴発する〜〜〜〜
麻里絵ちゃんの顔を見てから、おやすみのチューくらいなら、堪えられるかな…
と落ち着き始めて…そっと剥がして覗き込むと…
それはそれは…可愛いお顔で………
寝てたっ…
カアアアアア…
やっぱり、寝たか…
起こさないようにベッドを抜け出て、リビングを片付け、それでも起きないのを確認してバスルームへ…
勘違い、早とちり甚だしい愚息を叩き、
麻里絵ちゃん…ごめんなさいと一礼して…
暴発寸前の馬鹿息子を宥めた。