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きっかけは映画館
第22章 新しい朝
ん…
麻里絵ちゃんがしがみついてくる。
これは、麻里絵ちゃんが目覚めて一番最初に仕掛けてくる罠。
起きてるクセに、寝ぼけたフリして抱き着いてくる。
だから、俺は寝たフリをして…辛いまま麻里絵ちゃんの好きにさせる。
恥ずかしがりやの麻里絵ちゃんの為に、一般開放してあげる。
ハッとして離れてから、改めてしがみついてきて、胸に顔を埋めて、鼻を擦り付けるみたいにスリスリしてくる。
愚息は自分にされたと勘違いして、早々に起床するが、俺はグッと堪えて寝たふり。
麻里絵ちゃんは、多少は昨夜の記憶があるのか、
「ヒジオ…」
って小さく呟いて、また顔を埋める。
はぁあ…可愛過ぎて…ガバッと抱き締めてしまいたいけど…
就寝前と何も変わらない状況に、お帽子購入まであと何時間かと数える。
そろそろ寝たふりも限界で、ギュッと寝ぼけたフリして抱き締める…
これは、麻里絵ちゃんへのお返し。
ビクッとして離れていくから………って…
離れていかずに、余計にしがみついてくる。
「麻里絵ちゃん…おはよう。」
「おはよう…ヒジオ…酔いは、醒めた?」
それは、、、昨夜のお誘いの続き?
酔っぱらってしたくないって…言い訳の…確認?
「………シャワー浴びてくる。」
慌ててバスルームに逃げ込むと、後ろから、
「今日、会社休みだよ?」
って、ごもっともなご意見を頂戴しましたが…
シャワーを浴びる都合は、出社とは関係ない。
今、7時か…後3時間…さすがに、シャワーに逃げたら、もう罠はないよな。
麻里絵ちゃんシリーズは、サドだったか…