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きっかけは映画館
第22章 新しい朝
麻里絵ちゃん家と違って、ダイニングテーブルなどないから、カウンターのすぐ前で、麻里絵ちゃんが料理されてる。いや、してる。
もう、昨夜の記憶の有無なんかどうでもよく、早く買い物に出て、戻ってくることばかり考えながら…
麻里絵ちゃんを目で追いかけ回してた。
「ヒジオ…お腹空いてる?」
「なんで?」
「何か飢えてるみたいだから…」
それはね、麻里絵ちゃん…お前を食べる為だよ。
いやいや、そんなガッツいたら駄目だろう。
と、何故か見るのは時計。
もう一度、麻里絵ちゃんの気持ちも聞きたいけど、今、聞いたら我慢できない。
何だろ、こんなに余裕がない男、嫌われるぞ?
深呼吸をしていると…
「出来たよ〜。」
すぐそこで麻里絵ちゃんが言って振り向く。