- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
きっかけは映画館
第23章 リベンジ?
「ヒジオって休みの日は何してるの?」
昨日の積極的な麻里絵ちゃんは出て来ない。
「ゴロゴロするか、バイク乗るかだな。麻里絵ちゃんは?」
「私も…バイクの代わりに買い物くらい。」
何の気なしにテレビを付けると…
あの映画の特集をやっていた。
会話が途切れて二人して画面に釘付け…
そして、俺は麻里絵ちゃんの肩を引き寄せ、俺に接してる方の手を取って握る。
麻里絵ちゃんが、ビクンってしたけど、指を絡めて繋ぎ、手の甲を親指で撫でた。
映像はコマーシャルカットに多少プラスされているくらいで、メイキング映像や女優、男優の撮影への意気込みトーク。
「ヒジオ…それ…好きだね。」
くるくると甲を撫でることを指しているのはわかっていたけど…
「そうじゃなくて、麻里絵ちゃんのことが好きでこうなっちゃうの。」
麻里絵ちゃんを覗いても、照れているのか、画面を見ていて、無言だけど、真っ赤になっていた。