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きっかけは映画館
第26章 お買い物
ヒジオの家からショッピングセンターまで10分、駅まではそこから5分とかからない。
ヒジオはその間、ずっと手を繋いで歩く。
「ヒジオ、手を繋ぐの好きね。」
「うん、どっかしら麻里絵ちゃんとくっついていたい。」
商談の時のヒジオからは想像も出来ない。
「麻里絵ちゃんは嫌?」
「嫌じゃないけどね。意外と言うか、外で恥ずかしいとか思わないのかなって…」
「外じゃ、恥ずかしくて出来ないから、手を繋いで我慢してる。」
「ん…?」
「家にいると、ずっとしてたくなっちゃうから…
そうならないように、買い物に出た。」
麻里絵ちゃんがギョッとして離れるが、手を引っ張って戻す。
そしたら、真っ赤な顔で、背伸びして囁いてきた。
「ヒジオって…優希ちゃんが言うように…精力…強いの?」
照れてめちゃ可愛い。
「人と比べたことないからわかんないけど…
麻里絵ちゃんとなら…ずうっとシテいられそう。」
また離れようとする麻里絵ちゃん。
もう逃げないように腰を抱く。
「あの…、元カノさんともこうやって出掛けてた?」
「麻里絵ちゃん…怒ったり、引いたりしない?」
「え…ぅ、、うん…」
「就職してからは出掛けなかった。ずっと彼女の家にこもって…シテ…」
「もう、いいよ。ヒジオ…わかったから…」
「言い訳させてもらうとね。大学時代はお互い実家通いで…なかなか会えなかった。
就職して、彼女も一人暮らししたから、週末は彼女の家にこもってた。
外食するか彼女の家か…」
「うん、もうわかったよ…」