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きっかけは映画館
第26章 お買い物
「麻里絵ちゃんは、元彼と手を繋いで出掛けたりしなかったの?」
「う…ん、手もそうだけど、スキンシップ苦手と言うか、ちょっと触れたりぶつかるとビクッてなって、だから…こんな風に歩いたことない…」
「それは、嬉しいなぁ。麻里絵ちゃんと、初めてだ。
でもスキンシップ苦手って、エッチの時、困るんじゃない。」
「そ、それとは、別物みたいだった。週末、お互いの家に行って、平日やり残した家事や掃除をして…」
「するんでしょ?」
「なんか、家では…ほとんどしなかった。」
「って…どうやってするの?」
「デートとか旅行とか特別な時に…」
「じゃあ…麻里絵ちゃん家のダブルベッドは、ほとんど、週末、彼と眠る為だけ?」
「う、うん…そう…」
「悪いけど…彼からしたら、俺は異様に精力強いってことになるわ。」
「彼のことは、優希ちゃんも驚いてた。
優希ちゃんとこは、毎日って…凄くない?」
「えっ…普通でしょ?同棲してて、毎日隣に寝てるのに、しないなんて無理でしょ?」
麻里絵ちゃんがビクッとしたので、また肩を引く。
「じゃ、じゃあ…今まで…ごめんね。」
「あ〜、もう、爆発して死にそうだった。」
麻里絵ちゃんは真っ赤に照れながらも笑ってた。
こうやって、些細なことでも笑って、幸せで居たいんだ。
「麻里絵ちゃん、可愛いっ」
止められなくなって、麻里絵ちゃんの頭にキスをして我慢した。
それに、麻里絵ちゃん家のダブルベッドはほとんど有効活用されてないとわかったし、悪いけど元彼さんに感謝までした。
麻里絵ちゃん、これからは俺に合わせてもらうからね。
心の中で…勝手に宣言した。