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きっかけは映画館
第27章 おうちで映画


レンタルショップで映画を選ぶ。

ヒジオから恋愛映画以外って指定で、
理由を聞いたら…
『今は人の恋愛観てる暇はない』って…

で、家に戻って買い物の片付けをする。
ソファーに座って早速映画を観ると思ったら…

チュッ…チュッ…

ヒジオが私の頭にキスをしてくる。

「ヒジオ?」

「やっぱり、麻里絵ちゃんがもっと見たい。」

「ふぇ?」

「映画観てからしたら、すぐ夕飯の支度で…
食べたらするでしょ?
間が開かないと麻里絵ちゃん疲れちゃうから…

麻里絵ちゃん見て、映画観てから、ご飯にする。」

「ヒジオ?」




ヒジオらしい三段論法風だが、つまりはシタクなったということだ。

すぐに拒まなかったのを同意とみなしたのか、ヒジオはチュッ…チュッと頬やうなじにキスを下ろして来ている。
そして、手は、ジリジリと焦らす舞台のカーテンのように私のワンピースの裾を捲り上げていて、
私がそれを阻止するのに勘づいたのか、一気に捲り上げられた。

「バンザーイ。」

って、まんまと引っ掛かり手を上げてしまえば、スルリとワンピースが抜き取られる。

「要はシタクなっちゃったってこと?」

背後から迫るヒジオに向きなおして、ヒジオのティーシャツの裾に手を伸ばせば、同様に手をバンザイして身を屈めて下がり、脱いでしまう。

「うん、駄目?」

引き締まった男らしい上体を晒しながらも、おねだりする様は、色気よりも、また大型犬に見えて仕方ない。




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