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きっかけは映画館
第27章 おうちで映画
……お帽子?…?
ヒジオが指差す先を見れば、ヘッドボードに、【特大、極薄、2ダースパック】と、お菓子の箱を思わせるきらびやかな箱に凶暴な謳い文句の書かれたものが置かれている。
一年ほどそういうのしてないって本当だったんだ…と喜ぶ私と、
二日酔いじゃなくてこれを買いに一人でドラッグストアに行ったんだ…とか、
この特大はサイズに掛かってるのか、分量に掛かってるのかとか…
これが無くなるのはどのくらいのスパンなのか……とか、、、
色んなことが一気にぐるぐるしてるうちに、ヒジオはチュッ…チュと顔中にキスをしていた。
「麻里絵ちゃん、俺を見て?」
はい、お帽子の箱に見とれて、呆気にとられてました…って、お帽子って言い方可愛いっ…
ん…ん…ん〜………
箱に妬きもちを妬いたヒジオが窒息するほど深く長い口づけをくれる。
死んじゃうから〜…と、背中をトントンすると、
「ごめっ…」
と口を解放してくれた。
「さっきよりも余裕ないかも…」
離れたと思った唇がそう告げると戻ってくる。
肉厚なヒジオの唇が食むように私の唇を奪う。
ヒジオと触れ合うだけでドキドキしてしっくりくる。映画館でもバイクでお出掛けしたときも感じていたことを再認識する。
ヒジオは私が逃げるのを許さない。
唇同様、肉厚な舌が私の口に侵入してきて、舌を絡めとる。
くねくねと動いたり巻き付いてきて吸いとられる。
エロチックだけど気持ちいい…
少しでも応えようと、舌を伸ばしてヒジオの唇を舐めると、ビクッとしながらも、もっと攻め込まれる。
求められている。
それは心の襞をも潤す快感。