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きっかけは映画館
第31章 日曜日
ん…ヒジオ…
ヒジオの腕の中で目覚めた。
って…いつ寝たんだっけ…
ヒジオが中で弾けて、余韻のままにキスをしていたところから記憶がない。
って…裸のまま寝ちゃってるし…
裕司となら絶対にあり得ないこと…
埋めているヒジオの胸にそっと手を這わす。
しっとりと筋肉の弾力が心地好い。
閉ざされた瞼、無防備な寝顔は幼く見える。
商談の時の真剣な顔。
好きなバイクに乗っている時の顔。
そして獣のように私を見つめる顔。
しゅんとしたしょんぼりスタンプの顔。
この瞼が開くとヒジオは色んな顔を見せてくれるが、
無意識のこの寝顔も愛おしいと感じた。
身近にいたから?
積極的にモーションを掛けられたから?
いつからかわからないけど、ヒジオの隣にいることが当たり前に思えるようになっていた。
繋がればわかる。
言われたように、繋がってみれば、この腕の中の僅かな空間が私の居場所で安心出来るところだと知る。
愛おしい、触れ合いたい…
気持ちが溢れ出て埋めていたヒジオの胸に唇をつけた。
ん…
ヒジオの腕がキュッと私を引き寄せて、腕枕の手が背中を支え、もう片方がお尻を撫で始める。
「ヒジオ…」
「ん…」
「起きたんでしょ?」
「ん…麻里絵ちゃんがキスするから目覚めた。
も一回する?」
パシッ…
「痛っ…痛ぁい…」
「叩かれたの俺なんですけど…」
「このエロい手をやめなさい。」