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きっかけは映画館
第35章 決戦?
「麻里絵先輩、緊張しすぎですよ。」
午前中もまた出来る限りの準備をして、また沢山並ぶ応接室で、
なのに優希ちゃんは『二回目だし』とリラックスしていた。
コンコン…
「お待たせしました。」
ヒジオが先導して立花女史を連れ立っている。
私が小脇に抱えてるブリーフケースを見て、応接セットでなく、奥のデスクに誘導された。
「イートインの事でご相談があると承りましたが、」
立花女史が口火を切った。
「はい、今考えているのは1〜2週で2店舗ほどのイートインをリレーしていこうと思っているのですが、
そもそも、イートインでの販売をどのようにするものなのか知識がなく。
路地や市場でワゴン車や屋台で出ているような、作りたてのスイーツを販売出来たらと思いましたが、
その方々に来ていただくことが可能なのか、もしくはノウハウを教えていただくのか、前例があるのかもさっぱり判らず、お知恵をお借りしたいと思いまして。」
優希ちゃんがストレートに話し出す。
「それで、貴女方はどのように準備して来られたのですか?」
立花女史は食い気味な優希ちゃんにも動じず冷静に話し出す。
私は資料を提示しながら説明した。
「まずは、最悪イートインが不可能である場合の売場面積から検討した商品数と販売目標数です。
これに対してイートインを入れた場合に売場面積が減ることを想定しての商品数と販売目標です。
それとジェラートのようなものであれば、職人の方に来ていただかなくても販売出来るかと、似通ったもので温めればよいものなども検討しました。
また、数店舗ですがイートインにお招きしたい候補もリストアップしています。」