- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
きっかけは映画館
第7章 映画のあと
地図アプリで出た交番は、もう通過してしまってた。
次はもう駅周辺…
お腹空いたし、駅まで肘男に騒がれるのも鬱陶しいし…
お詫びのタダ飯くらい付き合ってもいっかな…
繁華街で女一人で入れる店なんて決まりきったところしかないだろうし…
自宅までストーキングされることを思えば、ご飯くらい付き合ってもいいかな…
本当は、一人虚しくご飯を食べるのも、家でご飯を食べるのも、嫌だったの。
内容は肘男のせいでさっぱりわからなかったけど、あんなラブラブな映画を見て、隣のバカップルも、場内に溢れた甘い空気も、
裕司と別れたばかりの寂しい気持ちを思い出させて辛かったから…