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きっかけは映画館
第36章 女子バナ
「あ〜でも、立花女史と部長が同い年なんて〜」
「優希ちゃん、ずっとそればっか…」
今日も直帰を許されたが、イートインで行ける話と月末会議まで待っても動けるということを直接部長に伝えたくて一旦帰社し、
いつもの居酒屋にやって来た。
そして乾杯後の優希ちゃんの第一声がこれだ。
それと20年前の部長のフェアから、『デパ地下』という言葉が流行り出したという話を部長から聞くことができた。
部長は穏やかで自慢話などしないから、まさかデパ地下の火付け役などということを知らなかった。
「麻里絵先輩と土方さんも同い年ですよね。」
「そうだけど、それが?」
「先輩たちも、20年後には部長たちみたいになってるのかなって、」
「20年後も私、働いているのかしら…」
「え、先輩辞めちゃうんですか?」
「いや、漠然としててイメージわかないな。」
「それで、土方さんとは、どうして?」
「私が心配だからと一緒に帰ってて、ヒジオが飲み会を抜けて帰って来たとき、肉食部の女に絡まれてて、
ついカァッとなって、私の…みたいなこと言っちゃってたの…」
「やぁ〜ん、その場に居合わせたかった。で、今同棲してるんですか?」
「まだ、そういう話はしていない。昨日は家に帰ったし。」
「なんでぇ?でも、したんですよね。」
「う…うん。」
「どうでした?」
「どうって…」
「いや、やっぱりだめとか、相性良かったとかあるじゃないですか。」
「うん、大丈夫だった。というか前の彼とは合ってなかったのかなって思うほど…」