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きっかけは映画館
第36章 女子バナ
「へぇ〜、じゃあ強敵立花女史を味方につけたのか、」
晃くんも到着して皆で乾杯する。
「別に敵ではないんですけどね。」
身内にあたるヒジオは少し遠慮していた。
「しかし、先週からするとだいぶ雰囲気が変わりましたね。」
「へ…何がですか?」
「麻里絵先輩、貴女がですよ。」
ヒジオは嬉しそうに私の腰に手を回してくる。
「きちんとお付き合いすることになりましたからね。」
戸惑う私にヒジオが勝手に返事していた。
「あの…あの〜。」
「晃〜、お似合いの二人だよね。」
優希ちゃんが晃くんにしなだりかかりながら、また勝手に話をしている。
肴にされてどういう反応を返せばよいのかわからず、お酒に逃げていた。
「ヒジオ〜、ヒジオはヒジオでいいんだよね。」
麻里絵ちゃんは、昨日の寝不足がたたったのか、打ち合わせが成功した開放感からか、また酔っぱらっているようだった。
「そろそろお開きにした方が良さそうですね。」
晃くんが言い出したが、確かに優希ちゃんも眠そうで晃くんに寄りかかっていた。
「なかなかこういうメンバーもないので、月に一度くらいはこうして飲みませんか?」
「そうですね、是非お願い致します。」
こうして、それぞれ恋人を引き連れるようにして帰宅したのだ。