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きっかけは映画館
第37章 同棲?同盟?
「麻里絵ちゃんさ、やっぱり自分の家に帰りたいと思う?」
「ん…」
「俺はね、麻里絵ちゃんがいなくて寂しかった。」
「そうなの?」
「ほんの数日一緒だっただけなのにね、もう麻里絵ちゃんが一緒にいることが当たり前になってて…
一人でどうしてるのかと気になってしかたなかったよ。」
「うん、心配させてごめんね。でも私も寂しかった。」
「だからね、平日は忙しいからこそ、一緒にいたらどうかと思ったんだけど…」
「同棲するってこと?」
「何か言葉の定義に拘らなくてもいいんじゃないかな。
平日は往復するのも大変だし、一緒にいたいから一緒にいる。週末もそうならそうする。
俺はね、麻里絵ちゃんとすぐさま結婚したっていいと思ってる。でも麻里絵ちゃんはまだ気持ちの整理がつかないでしょ?
だからプロポーズはまだしない。
麻里絵ちゃんの気持ちの整理がつくまで、本当に俺と一緒に生活していくのでいいのか確認のため、とりあえず一緒に暮らすってどうかな?」
「うん、わかった。」
「そうしたら、週末に荷物の移動でいいかな。そしてここにもちゃんと荷物を置くスペースをとって、麻里絵ちゃんの居場所をきちんと作るんでいい?」
「うん…
ヒジオは、どう思ってるの?」
「麻里絵ちゃんのこと好きだよ。ずっと一緒に居たいと思ってる。」
「うん…、でもそうじゃなくて、出会ったのも突然だったでしょう?」
「そうだね、俺は、ずっと付き合っていく人を探したいと思ってたところだったから、最初からそのつもりで麻里絵ちゃんのことを見ていた。
麻里絵ちゃんは逃げるつもりだったかもしれないけど、偶然仕事で再会して、やっぱり縁があるんだと思った。
そして、会うたびに、付き合うってなってからも、どんどん好きになっていく。」