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きっかけは映画館
第37章 同棲?同盟?
料理をしながら、ふと肉食部の女とのやり取りを思い出していた。
ヒジオは私を後ろに庇い、はっきりと答えてくれた。『付き合っている。』
『互いが互いのものだ。』
と…
会社にはまだ公表しないと言っていたのに、はっきりと言ってくれた。
それはとても嬉しかったし、ヒジオの彼女なんだと改めて思った。
だから、あの女が惑わすようなことを言ってきても、怖くなかったし、そんなことじゃ動じないと言ってやった。
ヒジオに守ってもらったから、私もヒジオを守る。
そう思ったのだ。
「麻里絵ちゃん、よく混ざったと思うよ。」
ああ、また考え事してた。
「そうしたら、茹で卵を包んでお団子のようにしてみて…」
見本を見せつつ一緒に作っていく。大きな手のヒジオが作ると卵が入った丸いハンバーグが小さく見えた。
もう1つは普通に小判型にして、ヒジオに任せて焼いてもらう、その間にソテーやサラダを盛り付けていく。
「麻里絵ちゃん、見た目は焼けたよ?」
「じゃあ、デミグラスソースで煮込んでいくね。」
市販のソースで煮込んでいけば失敗することはない。
「さあ、「いただきます。」」
カウンターに並んでのかなり遅い夕食。それでも一応手作りだった。