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きっかけは映画館
第37章 同棲?同盟?
「さて、引っ越し蕎麦を食べに行こう。」
最後に二人でバイクに乗ってヒジオのマンションに着くと、バイク置き場からそのままショッピングセンターに行くとヒジオが言う。
「まだ、片付けが終わってないけど?」
「お昼ご飯食べて休憩してから…」
確かにご飯を作る気力もなく、ヒジオと並んで歩いていった。
「ねぇ、麻里絵ちゃん、どれがいいか選んで?」
「洗面所があるから十分だょ。」
「いや、これは引っ越し祝いだから、麻里絵ちゃんの大事な居場所だから選んで?
プレゼントさせて?」
ヒジオに連れてこられたのは家具売場で、書斎側の部屋にドレッサーを置くというのだけど…
自分の家にも小さなドレッサーはあるし…
「ヒジオ、家にあるのを運ぼうよ。」
「いや、あれは小さすぎるよ。ドレッサーは鏡が大きくなきゃ。」
ヒジオが言うには、鏡と向き合いお化粧する時間、それを快適に過ごして欲しいのだという。
結局ヒジオが候補をいくつか選び、その中から選ぶという形でようやく決まった。
早速配達の手配をして、明日の午前中には届くことになった。
お姫様が使いそうな白いドレッサーで鏡の周りに花の彫刻がされたもの。
とても可愛らしく、ヒジオが言うように、鏡に向かうのが楽しくなりそうだった。
「ヒジオ、ありがとう。」
お礼を言う私より嬉しそうなヒジオがいた。