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きっかけは映画館
第38章 きっかけは映画館
「何を食べる?」
「う〜ん、麻里絵ちゃんは?」
「まだピンとくるお店がないかな…」
グルメサイトに頼らず見て決めようと出てきたけど、まだ見つかっていなかった。
そしてぷらぷらと歩く。
探すというより麻里絵ちゃんと歩くことを楽しんでいた。
「あそこ行列出来てる、なんだろうね。」
「行ってみようか、麻里絵ちゃん。」
牛カツの店に行列が出来ていた。
「トンカツじゃなくて牛なんだ。麻里絵ちゃん食べたことある?」
「ない、並んでみる?」
「うん。」
待つこと30分、ようやく順番が回ってくる。
キャベツは千切りでなく一口サイズの角切りで、ソースは味噌ダレくらいに甘い。そして衣が薄めで、サッと揚げてあるのか、中はまだ赤みがある。
「「いただきます。」」
「美味し〜い。」
「トンカツともステーキとも違うね。」
「うん、でも柔らかいしボリュームがあるわね。」
キャベツの角切りがまた合っていてご飯が進む。
味噌汁とご飯をおかわりして大満足だった。
「お腹一杯、映画館で寝ちゃったらどうしよう。」
「そしたら俺が起こしてあげるから…」
そんな感じで映画館に向かった。
このあとに起こることも知らないで…