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きっかけは映画館
第39章 おフランス
急な立花課長からの連絡に慌てる。
前にそうしようと思い立ったのに一緒に暮らし、一緒に出入りするため忘れていた。肝心な事を…
ランチタイムには麻里絵ちゃんに渡さないと間に合わない。
プライベートの事なので麻里絵ちゃんのスマホに電話する。
何回か鳴らしても出ない。
勤務中は出ないことにしているかもしれないが、次で出なければ会社に電話するしかないだろう。
昼休みまで後少し、まさか、出張でもしているか?
そうなったら、優希ちゃんに頼むしかないか…
『もしもし…』
遠慮がちな麻里絵ちゃんの声に慌てて用件を伝えた。
「ランチタイムに渡さなきゃならないものがある。」
『どうしたの?』
「時間がない、12時半に○○ってレストランこれる?」
『う、うん、わかった。行くね。』
取り急ぎ麻里絵ちゃんと会う約束をして、仕事をまとめ、携行品の用意をして会社を出た。
麻里絵ちゃんと会って、家に寄って荷造りして…
多分、さっき取れた便にギリギリだ。
たまたま予備を持ち歩いていて良かった。
総務課で準備された書類を鞄に入れて約束のレストランに急いだ。