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きっかけは映画館
第39章 おフランス
とりあえず着替えようと寝室に向かうと、ベッドが盛り上がっていて驚いた。
「麻里絵…」
「ん…あ、ヒサオ?」
居ないと思った麻里絵ちゃんが居るだけで嬉しくてベッドサイドに駆け寄った。
「麻里絵ちゃん、具合悪いの?」
「ヒサオが帰ってくるなんて思わなかったからびっくり。
ん、女の子の日なだけ、疲れて怠いから横になってた。
帰ってくるなら、ご飯作って待ってたのに…」
「ずっと立花女史と一緒だから連絡入れられなくて…」
大した会話でないのに、久しぶりの麻里絵ちゃんを抱き締めていた。麻里絵ちゃんも俺にしがみついてくる。
「ヒサオ…苦しいょ。」
「ああ、ごめん。居ないと思ったからさ、俺が居ないから家に帰っちゃったんだと思ったから、嬉しくて…」
「あっ、その手があったわね。気がつかなかった。ヒサオが居なくて寂しかったけど、紫陽花と留守番してたよ。」
「麻里絵ちゃん、俺の呼び方…」
「あ、うん、普段も直そうと思ってね…一人の間練習してた。」
「そっか…ありがとう。」
おでこにキスすると照れくさそうにしている麻里絵ちゃんが可愛くて口づけした。本当は押し倒しちゃいたい所だけど、女の子の日だから我慢した。
「夕飯どうする?まだでしょ?」
「家でのんびりしたいから作ろっか。買い物いける?」
「うん、大丈夫よ。一人で寂しいから寝ちゃってただけだから…」