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きっかけは映画館
第41章 二人のための岬
「でも私の方が砂金を取れてたら、そうはならなかったじゃない。」
「ん、そこは本気出して頑張った。」
「凄いね、ヒサオ、やっぱりソーシャルアドバイザーだ。」
「久しぶりに来たね、それ。
でもね、プライベートは麻里絵の為だけのソーシャルアドバイザーだから。
それより、麻里絵が昨日、プロポーズには指輪でしょ?って言ったら、その場で出すしかないと思ってた。」
「あ…そんなこと考える余裕、全然なかった。旅行にプロポーズに誕生日に盛りだくさん過ぎて…」
「仕方ないよ、出会って間もないのに誕生日やらフェアに忙しかったんだから、皆、いっぺんになっちゃった。
後は元来た道を戻りながら、美味しいものを食べて帰るだけ。」
「本当にありがとう。」
麻里絵が頬にキスしてくる。しかし、いい加減視線が痛いのでメットを被って出発した。