- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
きっかけは映画館
第10章 週末
午前中は、非常食と酒の買い出し。
駅前のショッピングセンターにバイクで向かう。
駅周辺で大型のショッピングセンターはここしかないから、もしかしたら麻里絵ちゃんも来てたりして…
淡い期待にもし見掛けたら、運命だと言おうと心に決め、運命でなく必死に麻里絵ちゃんを探す。
たぶん駅からだいぶ遠いようだし、ここを使うとは限らない。
そう自分に言い聞かせて一旦帰る。
家にいると不毛なままで休日を終えそうで、バイクで出掛ける。
歩き、もしくはバス、タクシーで、あの返信になるまで行ったらどの辺だろうと、麻里絵ちゃんが嫌がるストーカーのようにあてもなく走り続けた。
手っ取り早くラインすればいいとも思ったが、『しつこい。』と手厳しい麻里絵ちゃんが浮かんで堪えることにした。