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きっかけは映画館
第13章 金曜日
ヒジオは肘どころか手もひじ掛けに置かず、小さく自分の席に納まっていた。
だから私がひじ掛けに手を置いてゆったり座ってやった。
暗転して映画が始まる。
出会って付き合いだしたばかりの恋人が、いつ体の関係になるのかが前段のポイントだった。
お互いに、元彼、元カノがいたと知っているなかで、いつセカンドバージンを乗り越えるか、
sexを知っているが故のお互いの葛藤がテーマだった。
特に事件も運命めいた出来事もなく、互いに遠慮している。
そして、たまたま嵐の停電に怖がる彼女を抱き締める彼が、迸る愛情と欲情に高ぶりキスをする。
そして、お互いに溢れる思いに押し出されるように抱き締めあい服を剥いでいく。