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50センチの距離
第43章 ジンジャーシロップ
「…別に呼び方くらい彩乃さんでよくない?」
「良くないだろ。他人だし。てか元々結婚なんて…紙一枚で他人同士が家族になりました、なんて馬鹿げた制度だよ。そんなことしなくたって、一緒にいたきゃ一緒にいる、離れたくなれば離れる、て事にしとけば別に面倒くさい事ないんだ。」
「…そんなこと、言ってもしょうがなくね…?」
「家族になったから苗字はひとつにしないと。オンナは苗字がかわるもんだ、男はそのままでいい、とかさ。結婚したら大黒柱として、世帯主として、子どもができれば父親として…ひとりでそんな何役もできるほど俺は器用な男じゃない…でも女の人はさ、母、妻、職場では変わらず、とか器用にやってのけるんだよな…」
朴訥な呟きに、あぁ、兄貴は彩乃さんのことが嫌いで別れたんじゃないんだ、ただ、家庭という枠に収まって、2人で新しい家を作る、てことを必要以上に難しく考えちゃって、息苦しくなったんだな、と感じた。
「良くないだろ。他人だし。てか元々結婚なんて…紙一枚で他人同士が家族になりました、なんて馬鹿げた制度だよ。そんなことしなくたって、一緒にいたきゃ一緒にいる、離れたくなれば離れる、て事にしとけば別に面倒くさい事ないんだ。」
「…そんなこと、言ってもしょうがなくね…?」
「家族になったから苗字はひとつにしないと。オンナは苗字がかわるもんだ、男はそのままでいい、とかさ。結婚したら大黒柱として、世帯主として、子どもができれば父親として…ひとりでそんな何役もできるほど俺は器用な男じゃない…でも女の人はさ、母、妻、職場では変わらず、とか器用にやってのけるんだよな…」
朴訥な呟きに、あぁ、兄貴は彩乃さんのことが嫌いで別れたんじゃないんだ、ただ、家庭という枠に収まって、2人で新しい家を作る、てことを必要以上に難しく考えちゃって、息苦しくなったんだな、と感じた。