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心の隙間を埋めて
第1章 プロローグ
それは何となく始まっていた。
どこで知ったのか、俺の携帯に届いた一通のメールから……。
タイトルは、「三浦美幸です」だ。
俺は小さな教習所で指導員をしていた。
直ぐ見当はついた。ほんの数日前に路上教習をしたから。スラリとしたスタイルと二十四という歳の割に落ち着いていて、余り感情が顔に出ないタイプだ。いわゆる、クールビューティ。
『私、卒業なんです。明日……。
合格したら、お祝いしてくれますか?』
二十年余りの指導員歴で初めての経験だった。