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愛おしいキミに極甘な林檎を
第34章 アナタを信じているから……

ソラ先輩を送り出した後、特に用事もなかったため久しぶりに祖父の家に行った。
泣いてしまったけどそんなに目は腫れていないから大丈夫だろう。
「風子おねえちゃんおかえり~!どこに行ってたの?」
ただいまと言って玄関を開けるといつものように理人さんの弟と妹がバタバタと走ってくる。
私まで兄弟の仲間入りをしたような気分だ。
空港からひとりで寂しく歩いて帰って来たけど二人のおかげですぐに笑顔を取り戻すことができた。
靴を脱いで室内に上がり、廊下を歩いていると祖父とばったり会った。
「やっと帰ってきたか。いつまで友達の家に世話になっておるんだ。迷惑を掛けるから早く帰ってこい」
「すみません。もう少し友達のところにお世話になろうと思います」
「理人との結婚はどうした?一向に話が進んでいないのではないか」
「えっと……、それは……」
「そんなに急がなくとも夏の終わりには決まりますよ、千十郎様」
回答に迷っていると理人さんがやって来て話に割って入ってきた。

