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愛おしいキミに極甘な林檎を
第36章 You belong to me

「いいえ、このまま続けたいです」
頑張って、ソラ先輩……。
口には出さずに心の中で願っていた。
部屋が静かな分、雰囲気が重たくて緊張感が続く。
見た感じ祖父の方が取っていて攻めている駒も多い。
そんな中、ソラ先輩は時より玉将と書かれた駒を移動させながら僅かに残った自分の駒を使って戦っていた。
痺れてきて私が足を崩した頃にはさらに一時間程経っていたと思う。
すぐに終わるかと思ったけど対局はまだ終わらない。
隣に座って姿勢を崩さないでいる理人さんはよく正座をしたまま見ていられるものだ。
ルールは全く分からない私だけど、見ていたら少しは理解できてきた。
つまり王を取られたら負けなのだと……――――
「いつまでそうしているつもりだ。いい加減、諦めないか。お主には勝てない」

