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愛おしいキミに極甘な林檎を
第38章 真実と愛のかたち

「それは教えられませんよ」
「まったく。生意気で可愛くない小僧だ。……余計なことまでしおって」
皮肉を言った祖父の口角は少し上がっていた。
その様子を見てもう大丈夫だと思った。
ずっと探していた自分の息子が帰ってきてくれて相当嬉しいんだろう。
前よりも笑った時の顔つきが明るくなった気がする。
「だが、お主にどんな礼をすればいいか分からない。今まで見つけることができなかったわしの息子を探し出してくれたのだからな。
風子との結婚とは別に何か礼をさせて欲しい」
祖父はソラ先輩に向かって頭を下げた。
将棋で負けた時は不本意そうに下げていたけど、今はすんなりと下ろしていた。
「俺は自分の望みを叶えるためにしたまでです。でもせっかくですから有難くお礼をいただこうと思います」
「なにがいい。海外まで行ったのだから金か?百万で足りるか?」

