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愛おしいキミに極甘な林檎を
第44章 愛の結晶



「こっちで外を歩く時はこうしてるんだ」


新幹線を降りてからつけた黒縁のメガネ。

東京に行く時はファッションに気を使っているんだろうか。


私なんか駅のホームに到着する電車の風で髪が乱れても、目的の場所まで辿り着けるかで精一杯だった。


でもソラ先輩が隣を歩いてくれたり、道を教えてくれながらすぐ後ろにいてくれるから心強かった。




電車を乗り継ぎ、住宅街を歩くとようやくソラ先輩の実家に着いた。


「すっ…、すごいです……。いくらあればここまで大きい家が建てられるんですかね……?」


「お爺様が建てたからそこまでは分からないな」


想像していたよりも豪邸で驚きが隠せない。

祖父の家も金持ちだったけれどまた違った雰囲気だ。



大きな家が高い塀に囲まれており、門扉の前に防犯カメラまでついている。


敷地の前に立っただけでもとても緊張して、私はカチカチに固まっていた。


インターホンを鳴らすと誰かがやって来てその緊張がさらに増す。


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