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愛おしいキミに極甘な林檎を
第51章 偽りの恋人

おかしくはないけど、どうしてこの流れで課長のことが先に出てくるのか不思議に思ってソラ先輩を見上げた。
「風子とは最終的にどうするか前から決まっているじゃん。でも籍を入れるまでどうするかも考えていたかな」
新くんと火ノ浦さんに出会ってから悩んでいたようだけど、なにかが吹っ切れたように感じる。
それでも何を企んでいるのか想像つかなくて、私はごくりと唾を飲んだ。
「婚約……したことは変わりませんよね……?」
「変わらないよ。風子は俺のだから」
「はっ、はい……。それは十分に分かっていますし、そうであって欲しいです」
ソラ先輩のいつもの調子が戻ってきたようで安心して床にバッグを置いてコートを脱ぎ、とりあえずソファに座った。
「でもしばらく郁哉さんのにもなるね」
耳を疑うような一言で落ち着いた鼓動がまたドクンドクンッと早くなり出す。
「は……?どういうことですか……?」

