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愛おしいキミに極甘な林檎を
第57章 私は愛しい大魔王の小悪魔

「おじちゃんも大好きだよ」
子供を抱きかかえている姿は親子そのものだった。
いつも僅かな時間しか会えない。でもその時間はとても濃いものだと私は感じていた。
家族の見えないところにしまっていた同じ結婚指輪も会う時にだけ右手につけるようになった。
ダメだと分かっていても、望んでいた幸せに浸ることが止まらない。
公園で少し遊んでから知り合いに見つからないように、車の後部座席に移動して二人で座って肩を寄せる。
その時に決意したのか、私はソラ先輩に黙っていたことを話すことにした。
「ずっと言ってませんでしたけどね、この子はソラ先輩の子供なんですよ。クリスマスの時に避妊しないで愛し合ったことがあったでしょ?……あの時、妊娠していたんです」
本当のことを伝えるとソラ先輩は目を見開いて驚いてから、腕の中で眠っている結菜に視線を向けた。
「そうか……。あの時の……」

