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愛おしいキミに極甘な林檎を
第58章 初恋の人

バレンタインデーまで間近なのにまだ何も準備をしていない。
今年は何を作ろう……。
初めて渡した時はどれを作るか候補が沢山あったけど、回数を重ねていく度に被ってしまうことを恐れて候補が狭まっていく。
生チョコ、チョコレートケーキ、ガトーショコラ……。
今年もその辺を作ろうかな……。
仕事が終わってから課長にマンションまで送ってもらった後、そのまま自宅に向かわずにある人を待つ。
三十分ほど時間が過ぎた時、待っていたその人が車に乗ってやってきた。
「遅れてごめ~ん。いきなり誘ってくるからびっくりしちゃった」
「こちらこそ急に呼び出してすみませんでした」
「いいわよ~。那砂も理人くんへのチョコをまだ買っていなかったからちょうど良かったし。一緒に行きましょう」
今でも新くんに狙われているに違いないから、那砂さんについてきてもらうことにした。
彼……、いや彼女となら二人きりになってもソラ先輩が許してくれる。

