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第64章 番外編:危険な逆ハーデート

可愛い要求にくすっと笑った私は後ろにいるソラ先輩に体をもたせかけてから大きな手をきゅっと握る。


「そんなところも大好きです。でもソラ先輩の全部が大好きですけど」


照れくさくて普段なかなか伝えられなかったことを口にしてみたらすぐに返事が返ってこなかった。


でも振り向かなくてもどう思ってくれているかなんて分かっている。


未だにミステリアスなところが目立つけど、私はそこまでソラ先輩のことを理解できるようになったつもりだ。


きっと今は口元を緩めて静かに喜んでいるに違いない。


「俺の方が風子の全部を愛してるよ」

「私も負けません」


「あー……、もうだめだ。……可愛すぎ。正直に言うとさ、今日は風子を危険にさらしたくなかったんだ」


「危険？私がのぼせて気を失ったことですか？」


「いや、それはもっと予想外だったから」