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愛おしいキミに極甘な林檎を
第17章 犬猿の仲と秘密のキス

四月中旬の休日の朝。
台所でいつもより大きなお弁当箱におかずを詰めていると理人さんがやってきた。
「何をしているんですか?」
「ふふっ、見てのとおりお弁当を作っているんです」
「今日は会社は休みなのによく作りますね。昨晩買い出しに行かれていたのはこのお弁当を作るからですか」
「私にも作る用事があるんですよ……って、あー!食べた」
弁当に入り切らなくてお皿の上にのせておいたいなり寿司を一つ食べられた。
理人さんは眉間にシワを寄せながらよく味見をしている。
「これは酢を入れすぎですね」
「むむむ……。確かに気持ち多めに入っちゃいましたけど……」
「でも美味しいから大丈夫だと思います。ここまで豪華なお弁当を作ってどこに行かれるんです?」

