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愛おしいキミに極甘な林檎を
第28章 結婚と彼女

ずっと聞きたくて恋しかった穏やかな声が耳に入ってきてからベッドの隣までゆっくりと足を進ませた。
「っ……、ううっ……」
泣き崩れながらソラ先輩の左手を自分の頬に持っていくとまだ熱い。
ソラ先輩が死んでしまうなんて信じたくない……。
「どうして泣いてるの?なんともないから大丈夫だよ」
先程、颯太の言っていたとおりソラ先輩は何も知らないように思えた。
これ以上、何も心配させたくなくて溢れ出てくる涙を必死に堪えようとする。
「連絡できなくてごめんね」
「っ…、大丈夫ですっ……。私がソラ先輩のスマホを持ってきますから」
「ありがとう。あれほどスマホを大事にしろって言われたのにまた連絡できなくなってしまって風子には謝ることしかできないよ」

