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愛おしいキミに極甘な林檎を
第28章 結婚と彼女

これで買ってきて欲しいと財布を渡されてから病院を出て用事を済ましに向かう。
ソラ先輩が甘い物を食べたいなんて言うのは珍しかった。
嫌いではないみたいだけど私が作ったり、食べたりするから一緒に食べているみたいな感じで。
自分から積極的に食べているところを見たことがない。
だけど何個でもいいっと言う辺り、食欲はありそうで安心した。
放置されていたソラ先輩のスマホを取りに行ってから、美味しいと評判のケーキ屋に行って食べたそうなものを買って病室へと戻る。
「買ってきました!どうでしょうか?」
ケーキの入った箱をテーブルの上に置いて自信満々に箱の中を開けて披露する。
中身はチーズケーキ、フルーツタルト、苺ケーキ、チョコレートケーキ。
色んな味を楽しめるようにワンカットのケーキを四つ買っておいた。
「ありがとう。美味しそうだね」
そのケーキを見ながら微笑んだソラ先輩は私の方にその箱を返してくる。
食べられないのかと思って不安げに首を傾げると、何故なのかふっと小さく笑われた。

