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愛おしいキミに極甘な林檎を
第30章 低俗な野望と片思い

「初めてのお見合いの時にベビードール姿にされていたでしょう?
しかも待ち伏せしてまでまたお見合いをさせようとして。那砂はあの嵐谷さんなんですよ」
「えっ!?でも姿も声も違うじゃないですか……」
「少しでも女に近づけるように整形と声帯手術をしたようです」
それを聞いて那砂さんのイメージががらりと変わる。
初めて会った時は男だと分かる女装だったのに、今は男だと疑うほど綺麗な女だ。
「彼は自分の目的のためならなんでもする男です。僕は那砂の無道なところが好きになれないんですよ。
……何も変わらなければいい友達でいれると思ったのですが」
那砂さんのことを友達だと言った理人さんからはどこか寂しさを感じた。

