この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
愛おしいキミに極甘な林檎を
第32章 赤い林檎と甘い拘束

ここで颯太と話していた内容を教えろと言われても言えるわけがない。
なんと嘘をつこうか考えながら目を泳がせているとソラ先輩は微笑んで私を見てくる。
「分かってるよ。颯太と大した話はしてないってことくらい」
たっ、助かった……。
首を縦に振ってから抱きつき、聞かないでくれたことに心の中で感謝した。
せっかく前の明るさを取り戻してきたのに今ここで余命のことを言うべきではない。
「ところで、妊娠の前兆とかないの?」
意外な言葉を聞いた私は目をパチパチと大きく瞬きさせて呆気に取られる。
「こども…ですか……」
「妊娠したって分かったらすぐに籍を入れよう」

