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愛おしいキミに極甘な林檎を
第32章 赤い林檎と甘い拘束

「えっ!?また海外出張ですか!?」
「うん。そんなところかな」
確か、ソラ先輩が体調が悪くなったのは前の海外出張の時くらい。また何かあっては困る。
今だって右手が不自由で生活をするのも大変なのに、一人にするのがとても不安だった。
「私は反対です。出張先でまた体調が悪くなったらどうするんですか!無理しない方がいいんですから断ってください」
「大丈夫だよ。今回は早く帰ってくる予定だから」
「むうう……。早く帰ってくると言っても海外は遠いです。そうやって帰ってきてまた倒れたりしても知りませんからね」
「本当にすぐに帰ってくるし、もう熱で倒れたりしないよ」
「誰だっていつ倒れるかなんて分からないじゃないですか。行かないでくださいよ……」
「ごめんね……」
またソラ先輩がいなくなってしまう事を考えたらとても悲しくて涙で目が潤んできた。
あとどのくらいの時間を一緒にいれるのかさえ分からないのに……――――

