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アンニュイから~企画に魅せられて
第1章 日曜日の午後は
戻って来ると、伊織はタオル地のガウンを羽織って、壁にもたれて窓の外を眺めていた。
物音に気付いて、振り向いた伊織が光のせいか、儚く見える。
一瞬、どこかへ消えてしまう気がして。
手を伸ばし、抱きしめた。
伊織が俺の肩に顔を埋める。
「一緒に暮らしたいです」
「隣だぞ。同じようなもんだろ?」
「ずるい、ですよね」
そう、俺はずるい。
何もかも捨てる、そんな覚悟はないんだ。
「……だな」
でも、お前とは別れるつもりはないぞ。
なんて言ったところで、何になる?
約束も縛ることも出来ない関係なのに。